...........。
「だから終わりも、この俺自身で生きてきた時間への終止符も―――俺自身で付けなければなりません。
俺自身が俺の意志で........俺という存在を終わらせます。
貴方が俺達を巻き込んだように、今度は俺が貴方を巻き込んで」
ギイィィンッ。
研ぎ澄まされた鋭い音。
カイムは剣を鳴らす。
".................小僧が。
その行為の愚かさ、貴様には判らぬか!
人如きが我に逆らうなど言語道断。笑えぬ。
虫唾が走るわ"
ロアルを盾に見え隠れしていた闇。
それが、晒け出る。
ロアルの言葉を借り紡いでいた言葉が、竜の禍々しく裂けた口から吐き出される。
闇が一人の強き少年を前に、本性を剥き出しにする。
グアァァアッ――――!
歯を剥き出しにして雄叫びを上げるその内には、この世の物ではない明らかに異質な闇。
雄叫びと共にその闇を撒き散らす竜は、襲い掛かろうかというようにカイムに迫った。
宙からロアルとカイムの姿を見下ろしていた竜の巨大が、凄い勢いで地上降り立つ。
ブワァアッ!
尋常じゃないくらいの、膨大な土埃が辺りを舞ってカイムの視界を遮った。
"愚かなお前のその命、今此処で我が喰らってやろうか?"
ほんの一瞬。
舞い立つ土埃に目を伏せた。
次の瞬間、目を開いた先に在るのは......闇を湛え今にも自分を食らおうとする竜の口。
生暖かい嫌な闇の吐息が、カイムを汚す。
吐息が肌を撫で髪を揺らす度、何か生命が淀むようなそんな気持ちを晒された。
恐怖というより、闇に対する嫌悪の方が勝っていた。
.

