轟音と共に、周りの世界が崩れていくのが見える。
大地が裂け抉れ、ガラガラと割れた硝子の破片が飛び散るように呆気なく世界が壊れていく。
この世界に居る殆どの者はきっと、今この世界に何が起きているのか分からずに呆然としているだろう。
一体何が。
そう思っている間に、何が起きているのかを把握出来ないまま世界と共に崩れていった者だって沢山居るはずだ。
「この世界に一体何が起こっているか.......知っているのか?」
何も知らずにただ呆然とするそのうちの一人であるライルは、もう全てを見透かしているような瞳で世界が壊れていくのを見つめるシエラを見た。
.......ヴアァァアッ!
シエラの返事を待った。
その返事の代わりに、猛々しい雄叫びが聞こえた。
その雄叫びは遠くを見つめ続けていたシエラの視線の先から。
バッとライルはその方を見た。
「なっ!?」
視線の先。
空へと勢いよく湧き上がり飛び上がった巨大な闇に、視線が囚われる。
思わず言葉が詰まる。
.

