焦らなくていい。
時間は掛かったとしても、きっと彼女は―――ルシアスはシエラは分かってくれる。
まるっきり昔のままとはいかないけれど、きっとまた昔みたいに笑い合える。
時間は、たっぷりある。
ゆっくり時間を掛ければいい。
もう彼女の命を心配する必要もない。
今までは彼女の命を狙う敵という立場だったが、今度は自分が彼女を守る盾になるから。
今度こそは自分の全てを懸けて、シエラを守り通すのだから。
「................そんな時間は、もう無いの」
そんな決意。
だがそんなライルに飛び込んでくるのは、シエラの言葉。
そんな時間はない。
その言葉の意味を理解出来ないライルは、眉を潜める。
「時間が無いって、一体どういう―――!?」
ゴオォォッ!
一層に響き渡る轟音。
大地が突き上げられるように激しく上下に揺れるのが、彼等を守る光のベール越しに伝わる。
「アイツが、動き出したの。
もう時間が無い。
早くアイツを倒さなければ、世界は終わってしまう.......」
「アイツ?」
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