"フハハッ――――面白い、面白いではないか。
ロアルよ。
お前の息子は、もう全てを知っておるようだぞ?"
強く注がれる紅い視線に込められたものを感じて、竜は声を高くして笑う。
"全てを。
お前の願った哀れな願いも、お前が犯した消えない罪も。
........お前が誰より愛する息子は、もう全て知っているようだ"
(っ!)
"...........お前はお前の全てを懸けて息子に再びの命を与えた。
なのに、どうだ?
―――息子が今お前に向けるは、感謝ではなく"
ニタリッ。
".............刃ぞ"
視線が紅い瞳から、彼の握る銀色へ。
鋭くぎらつく、磨かれた刃へと移される。
カチャッ。
その視線にカイムは彼等から視線を離さないまま、剣を握り直した。
「全部知っています。
貴方が俺の父であることも、貴方が犯した罪も同時に俺が背負った罪も―――もう全て知りました。
決着を、全ての真実に対しての決着を着けに来ました。
貴方が犯した罪も、俺の背負う罪も.......全部此処で決着を着けます」
(――――)
「.........俺は、貴方を斬ります。
そして俺は貴方と、共にこの世界から消えるつもりです。
今まで貴方と俺が皆に与えてしまった憎しみや哀しみ、そんなものを全て背負って」
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