mirage of story














竜の力。
膨大なる月日を深い闇に包まれた地の底で過ごしてきた竜の力。

それが人と世界の隅々にまで、まざまざと見せつけられる。

















(世界が壊れる――――。

私が、私が愛する者が生きることを望んだそのせいで.......世界が終わる)




ドオォンッ!




(...........すまない......許してくれ、皆。

私の犯した取り返しの付かない罪を、そして私を――――)
















どうか。
どうか、許しておくれ。

この罪な父を、お前の生をただ闇に願うことしか出来なかった父を―――どうか許しておくれ。











(...............カイム)



ロアルは世界を破壊する自分のその奥で、遥か昔にやむなくも親子の縁を分かちた息子の名を呟いた。

この世界で誰よりも彼が愛する者の名を、意識の奥で何度も何度も。












ドオォンッ!
ドドオォォンッ!




............。






大切な人を想う意識の中、響き渡り続ける轟音。破壊音。



だが、何故だろう。
今まで響き続けてきたそれが、ピタリと止まった。










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