戦争に決着が着く。
ずっと続いてきた魔族と人間の哀しい争いに、終止符が打てる。
皆が手を取り合い喜び合った。
戦いの終わりの先に見える平和に、誰もが心馳せた。
なのに―――。
ドオォォオンッ!
そんな彼等の希望諸共、次の瞬間この世界から.......消え失せる。
彼等がつい一瞬前まで居た大地は、まるで元から無かったかのように彼等の存在ごと世界から抉り取られた。
多くの儚い命は、何が起こったのかも判らぬままに世界から消えた。
"..........フンッ。
まだ完全に力が戻っては居らんか。
奴等の封印はまだ我を縛るというか。
――――忌々しい"
沢山の命が消えた。
それにも関わらずその現実に不満であるのか、たった今世界から消えた大地と存在を興醒めしたような冷ややかな視線を送る。
彼等は―――黒き竜とロアルは同じように忌々しげに顔を歪め、自らを見つめ蔑んだ。
.

