飾り気の無い小綺麗な船室。
その中央には大きなテーブルが置かれ、その周りに四つの椅子が配置されている。
その四つの椅子の内の二つはもう既にジスさんとロキさんにより埋められていて、状況から察するに残る二つの椅子は俺とジェイドさんのだろうと思った。
「さぁ、こちらへ来て座りなさい。
少しは話し合って置かねばならないからね。
.......これから先、我々が何をすべきかを」
ジスさんが穏やかに笑って言いながら、俺達わ手招く。
その傍らでロキさんはいつもの無表情のまま、腕を組み目の前のテーブルの何処か一点を見ていた。
「......作戦会議って訳か。
あんまり難しい話は、頭が痛くなるから好きじゃないんだがなぁ。
まぁ、勢いに任せて突っ込んでも相手が相手だから玉砕しちまうだろうし―――仕方ねぇか!」
案内をしてくれた船員が出て行って扉が閉ざされた船室の中。
居るのは四人だけ。
ジェイドさんは話し合いという言葉に一瞬顔を歪めてみせるが、仕方ないという言葉で諦めたように空いている二つの椅子のうちの一方に座る。
残る椅子はただ一つ。
.......つまりこの椅子が必然的に自分の席になったのだと分かり、俺はジェイドさんに続いて空いている最後の席に座った。
これで席が全て埋まった。
「さて、じゃあ始めるとしようか」
埋まった席が、始まりの合図。
ジスさんは全ての席を見回すと一つ息を吸い込み、そして言う。
その声を始まりに、俺達の最期の戦いのいたします最期の作戦会議が静かに始まった。
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