その数日後。
今日は目覚めが良くて、さわやかな朝だった。
私はある場所へと向かった。
階段を上り、少し重いドアを開ける。
スゥと優しい風が通りすぎ、私の髪を揺らした。
手すりに手をかけると、少し冷たかった。
目の前には、太陽に反射してキラキラと光っている真っ青な海が広がっている。
ここから見える海は、すごくキレイな青色をしていて不思議な気持ちになる。
この屋上は、唯一のお気に入りの場所なんだ。

夕方になって、部屋に戻って本を読んでいると
「美波ーーーっ!!」
大きな声で叫んで勢いよくドアを開けて入ってくる。
私はびっくりした。
もー病院なのに……
でも、嬉しかった。
思わず笑顔になる。
『恋っ!!』
「久しぶりだねっ、最近、大会が近づいてて部活忙しくて来れなかったー。」
『もうすぐ大会なの?』
恋(れん)は私の幼なじみで、家がお隣さんなんだ。
親同士が仲が良くて、物心がつく前からずっと一緒にいた。
恋は、吹奏楽部でトランペット担当なんだって。