だから、お前なんて。




───放課後。


わたしは学校を出てすぐコンビニでスポーツドリンクや春瀬の好きなゼリーなどを袋いっぱいに買って、一度だけ教えてもらったことのある春瀬の家へと向かった。


春瀬は自分の家のことをあまり話そうとはしなかった。


だから、わたしも無理に聞こうとはしなかった。


ただ、一つ教えてくれたのは親が再婚したことくらい。


それも深くは聞くことはしなかった。

春瀬が自分から話してくれるのを待っていたかったから。


まあ、待っている間に別れてしまったんだけどね。


相変わらず、大きなお家だ。


“Haruse”


オシャレなフォントでそう書かれた表札をみてゴクリと生唾を呑み込んだ。


誰が出てくるんだろう。

お母さんかな?


緊張しながらインターフォンを押した。


すると、しばらくして「はい」というかすれた春瀬の声が返ってきた。


ほ、本人が出た……!