「ふてくされてないし」
繋がれた手にぎゅっと力が込められた。
絶対ふてくされてんじゃん。
またそんな可愛いことして、他の男にはするなよ。
「まあまあ、そう怒るなよ」
そういって、頭を撫でる。
ゆるくウェーブのかかったピンクアッシュの髪。
真面目なくせに髪色だけは派手。
でも、そんなとこも俺は好き。
「触んないでって。何回も言わせないでよ」
「はいはい」
何回でも触りたくなるようにしてるお前が悪い。
そう言ったら、また怒りそうだからやめとく。
「なぁ、あずちゃん」
「なに」
「ここでジュース買ってこう」
そういって、フルーツジュース専門店に入った。
こういうところ、意外と杏彩は好きなんだ。
でも、自分から言うのがはずかしくていつも目で追ってスルーしてしまう。
今だってそうだ一瞬目線がこの店に向いていた。
ったく、なんで言わねえんだろう。



