だから、お前なんて。




「あんたにバカとか言われたくないし」

「バーカ、バーカ」

「あんたは小学生か!」


コツン、と頭を叩くと「いてえな!」と春瀬が手で頭を抑えた。

ふん、知らない。
あたしをバカにした罰だよ。


「もっと俺に優しくしろよ」

「は?なんで?無理なんですけどー」

「うぜえ」

「ウザいなら向こう行けば?」

「それはいい」


わけわかんない。
嫌ならあたしの隣を歩く必要なんてないじゃん。

そう思いながら前を見ていると、視界の中に“彼”が映った。

だけど、彼だけじゃない。

その隣には綺麗な黒髪をなびかせて歩く、女の人がいた。それは彼……柏木くんの彼女さんだ。

昨日のことを思い出して、気分が落ち込む。
別にそこまでヘコんでいるわけではないけどやっぱり情はあるというか……なんだか複雑な気分。