だから、お前なんて。




「……あー、そういえばさ」

「なに」

「今日の放課後、空けとけ」

「は?」


なにその突然の誘い。
しかも、なんで相手はあたしなの?

春瀬と遊びたい女の子なんて嫌というほどいるはずなのにその中でなんであたしを選んだの?

あたしが昨日のことを気にしていると気を遣ってくれているんだろうか?

そんな優しさなんて……いらないのに。


「返事は?」

「……行かないよ」

「そんな選択肢あったっけ?」

「……行かないって言ってるじゃん」


今のあたしにはちゃんと拒否権はあるんだ。
だから行かないよ。あんたと遊んでもいい事なんて一つもないもん。


「あずちゃんは行かないって言ってても
ちゃんと来てくれるって俺知ってるから」


にやり、と意地悪そうに笑う春瀬。

まるで自分はあたしのことをすべて知っているとでも言いたそうだ。
何も知らないくせに。あたしがあんたのことを死ぬほど好きだったことも。