だから、お前なんて。



この曲……

春瀬とあたしが付き合っていた頃にイヤホンをお互い片耳ずつ、つけてよく聴いていた曲だ。


まだ……聴いていたんだ。


しかも、オススメしたのはあたしだったから春瀬がまだこの曲を聴いていてくれたなんて思いもしなかった。


「……懐かしいね」


ぽつり、と呟いた声に春瀬が「だろ?」とそういったように見えた。

あの頃は信じて疑わなかった。

春瀬はあたしのことを好きで付き合ってくれている、とそう信じていた。

どうしてあたしはこんなふうになってしまったんだろう。


「お前がしつこく聴けとか言うから
耳から離れなくなっちまったんだよ」


片耳のイヤホンをあたしの耳からとって、自分の耳につけ、まるで、言い訳のように話す春瀬。

よく言うよ。

自分だってわりと好きだったくせに。