バカなの?


「あー、可愛くねえ」


呆れたようにそう言い、両手を後頭部につける春瀬。

なんでこんなやつの隣の歩いているのか自分でも不思議だ。


「悪かったですね」

「でもさ、普段ツンデレな子がデレると真剣にヤバイよな」

「知らない」


変態。変態。

春瀬はいつも変態……というか何を考えているのか正直わからない。いつもヘラヘラしてるし。

付き合っていた時はもう少しわかりやすかった気がする。

いや、付き合ったのだってあたしが告白して他に彼女がいたくせにその子と別れてからすぐにあたしと付き合ったんだ。

思えば、その時から春瀬はクズだった。

でも、あの時のあたしはそんなことを気にすることもなく春瀬に夢中で恋をしていた。


「まあ、お前にはわかんないよな」

「ウザいから話さないで。
ていうか、隣歩かないでよ」

「いいじゃん。別に。減るもんじゃないし」

「あんたのファンから睨まれてるあたしの神経すり減らされる」