それからちょうど一週間後、宗吾さんのお店の定休日前日の夜、私は、待ち合わせ場所にいた。
美容室最寄りの大きな駅の前で、身だしなみのチェックをする。少しいい店の基準がわからず、白の細いストライプの入った青色のワンピースを選んだ。ストライプ部分の色に合わせたカーディガンも持ってきた。アンクルストラップ付きのパンプスは、ヒールの高さに慣れないものの、立ち姿が綺麗に見えたから買ってしまったものだ。
おかしなところはないかと髪を手ぐしで整え、上から自身を確認していく。パンプスまでいったところ、目線の少し先、私の爪先の向こうに、男の人の同じ部分が映る。
待ち合わせ、十五分前のこと。
「宗……っ」
「久しぶりだな」
けれども、宗吾さんだと勢いよく顔を上げた先に居たのは、違う人だった。
「……」
俯く私を蔑むように見下ろしていたのは、一年前に彼氏だと思っていた男だった。
「何してんの? デートとか? まさかな」
お前なんかがそんなわけないよなと、言葉の裏を感じる言い方だった。
男の隣には、可愛い女の子の姿。一年前とはまた違う人。
話したいとは、あまり思えなかった。会話をする気のない私に苛立ったような男は、最後にひとつ、嘲笑と共に捨て台詞を残していく。
「その格好、全然似合ってないけど?」
私の爪先の向こうには、そうしてやっと誰もいなくなってくれた。



