だけどテレビを通して大和さんたち、自衛隊の方やボランティアの人たちが土砂の中から、私たち家族の思い出の品を探してくれているのを知って、ますます早く退院しなくちゃいけないと、背中を押してもらったんだ。

「……大丈夫か?」

「えっ? なにがですか?」

急に心配そうに声を掛けられ、キョトンとなる。

お互い足は止まり、彼は私の様子を窺う。

「いや、昔を思い出していないかと思って……」

「大和さん……」

心配してくれているんだ、大和さん。

彼の優しさに自然と頬が緩む。

「大丈夫です。私には大和さんがいますから!」

雨が降る中、力強い声で言うと彼は目を丸くさせた後、どこか照れくさそうに目を伏せた。

「そ、そうか」

「はい!」

すぐに返事をすると、ますます大和さんは照れる。

「行こうか」と言いながら先に歩き出した彼と肩を並べ、幸せな気持ちで埋め尽くされていく。

その後、彼と向かった先はお父さんの弟、私から見て叔父さんの家。

叔父さんも私の家から近いところにあるけれど、被害を免れた。今も同じ場所で暮らしている。