休みの日は友達やボランティアの人たちに手伝ってもらい、土砂の中から家族の思い出の品を探した。

すべて見つけることはできなかったけれど、居間に飾ってあった家族写真をはじめ、他にも思い出の品を見つけることができた。

新しい生活にも慣れてきた頃、クリーニングをかけたままずっと手もとにある、迷彩服の存在を思い出した。

もらった手紙と共にお守り代わりにしていたけれど、制服はやっぱり返した方がいいのかもしれない。

そう思い、おばあちゃんに相談すると持ち主を探してくれた。

そこで私は、迷彩服を返すと共にお礼の手紙を送ったんだ。……そこから私が大和さんを好きになるのに、そう時間はかからなかった。


* * *


大学受験を控えた高校最後の夏休み。私は毎日学校へ通い、ゼミを受けていた。

「ただいま、おばあちゃん」

「おかえりなさい、勉強お疲れ様」

帰宅するとすぐに向かうのはキッチン。そこで冷たい麦茶を飲んで喉を潤おす。

すると居間でテレビを見てみたおばあちゃんが、にこにこしながら私を手招きした。