夢原夫婦のヒミツ

今は何時? もう夜は明けたの? ……もしかして私、このまま死んじゃうの?

ふと思った疑問に恐怖心でいっぱいになる。

やだ、死にたくない。だってまだやりたいことがたくさんある。

蘭や佐介たちと一緒に高校を卒業して大学に行きたい。管理栄養士の勉強をして、就職して……。

それに恋だってしたい、誰かのことを好きになりたいよ。

このまま死んだら全部できなくなる。そんなの、嫌!

再び助けを求めるものの、やっぱり誰も助けになど来てくれない。私は今、どこにいるのだろうか。こんなに暗くてはわからない。

徐々に苦しくなり、目を開けていられなくなる。ゆっくりと瞼を閉じると、両親や祖父母、それに蘭や佐介、友達みんなの顔が浮かぶ。

もう二度と、みんなに会えないのかな。……まさかこんな形で会えなくなるなんて――。

突然自分の身になにが起こったのかわからない。だけどこれだけはわかる。このままじゃ私、絶対死んじゃうって。

ポロポロと涙が零れ落ちる。拭いたくても拭うこともできない。