夢原夫婦のヒミツ

「だけどこれで腹を括れたよ。プレゼントを買ったんだ。……ちゃんと告白する」

「……うん、頑張って」

きっと蘭は佐介の気持ちに、まったく気づいていないと思う。そんな彼からの告白にびっくりするだろうな。

だけど蘭なら佐介の気持ちを、最後まで聞いてくれるはず。そして真剣に考えてくれるはず。

佐介の気持ちに気づいてから、ずっと願ってきた。大好きなふたりだからこそ、うまくいってほしいと望みながらも、一切関与することなく。

こればかりは蘭と佐介の気持ち次第だし、私がどうこう言えることじゃないから。

でも長年一緒に過ごしてきたからこそ、佐介の想いが蘭に届いてほしいと願ってしまう。ふたりはお似合いだと思うから。

そんなことを考えながらオムライスを頬張っていると、なぜか彼は食べる手を止めて、なにか言いたそうに私を見つめてくる。

「どうしたの？　ジッと見つめられていると、非常に食べづらいんだけど」

私も一度スプーンを紙ナプキンの上に置き、アイス珈琲を飲む。

すると佐介は言葉を選びながら話し出した。