バッグに貴重品などを詰めて髪を整えていると、そろそろ家を出ないと間に合わなくなる時間になろうとしていた。
「いけない、急がないと」
部屋を出て大和さんに出掛けることを伝えるためリビングに向かう。だけどそこに彼の姿はなくて、シンとしていた。
自分の部屋かな?
彼の部屋の前に行きドアをノックすると、すぐに「はい」と声が返ってきた。
ドアを開けると、大和さんは勉強しているところだった。
「あ、ごめんなさい。勉強中に」
「いや。大丈夫だよ」
そう言うと彼は手を休め、椅子から立ち上がった。
そして私の方へ歩み寄ると、「もう家を出るの?」と聞いてきた。
「はい、行ってきます。夕方には帰りますので」
「わかったよ、気をつけていってらっしゃい」
掛けられた言葉と共に撫でられた頭。私の頭に触れる大きな手は、いつもと変わらず温かくて優しいのに、今日ばかりは切なくなる。
大和さんが嫉妬なんてするわけないとわかっているのに、切なくなるなんておかしいのにな。
「ありがとうございます。……行ってきます」
笑って彼に伝え、私は家を後にした。
「いけない、急がないと」
部屋を出て大和さんに出掛けることを伝えるためリビングに向かう。だけどそこに彼の姿はなくて、シンとしていた。
自分の部屋かな?
彼の部屋の前に行きドアをノックすると、すぐに「はい」と声が返ってきた。
ドアを開けると、大和さんは勉強しているところだった。
「あ、ごめんなさい。勉強中に」
「いや。大丈夫だよ」
そう言うと彼は手を休め、椅子から立ち上がった。
そして私の方へ歩み寄ると、「もう家を出るの?」と聞いてきた。
「はい、行ってきます。夕方には帰りますので」
「わかったよ、気をつけていってらっしゃい」
掛けられた言葉と共に撫でられた頭。私の頭に触れる大きな手は、いつもと変わらず温かくて優しいのに、今日ばかりは切なくなる。
大和さんが嫉妬なんてするわけないとわかっているのに、切なくなるなんておかしいのにな。
「ありがとうございます。……行ってきます」
笑って彼に伝え、私は家を後にした。



