文久3年8月 この日、さよは店主夫婦に頼まれ物を済ませに町へ出た。 年老いた夫婦にとって、さよの働きは大変有難いものだった。 店をよく手伝い、少ないが賃金を与えても自ら外に出ることはしないさよを気遣っていたため、頼まれ物と称して、ついでに町で買い物でもして来たらどうかと進めたのだ。 せっかくの2人の申し出に甘え、いろいろな店屋を見て回った。