2人きりでいるのは、楽しさの中にも、時折ぎゅっと胸が苦しくなる瞬間がある。
だが4人揃うと、まるで昔からそうであったみたいに、なんだかしっくりくるのだ。
「てか里香ちゃんはまじポンコツ。なんで忘れてたんだかな〜」
「だからそれはほんとごめんなさい!」
ついこの間会ったばかりのはずなのに、ポンコツ呼ばわりされるし。
「でもトンデミーナは楽しかったですよ」
ちらっと山辺さんの方を見ると、ラーメンを啜る彼と目が合った。
「お前それ以上言うなよ」
箸で人を指すなんて、行儀が悪い。
だけど、お前なんて呼ばれると、なんだか特別な感じがしてしまって、ついにやけてしまう。
「え、なになに?なに!?」
相当気になる様子の鎧塚さんだったが、山辺さんがその度に、早く食えと急かした。
「あれだ、先生回る系苦手なんでしょ」
美沙の推理通りなわけだが、私が何か言おうとすると、山辺さんが鋭く睨む。
そんなのも、なんだかおかしくて。
山辺さんとどうにかなりたい、その気持ちと同じくらい、この4人の関係がずっと続いて欲しいと願ってやまなかった。

