レフティ


「リカちゃーん!」

同窓会メンバーの1人が、遠くから私を呼んだ。
あの人も随分と長いこと、この街コンに参加している。

「ほら、同窓会行ってきな」

ミドリくんはまた馬鹿にしたように笑って、私の背中を押した。


チャラチャラしている、と罵られれば、それまでだ。
実際親にも、いい加減にしっかりしなさい、と週末のたびに言われているし。

ただ、あの夏の悲劇…いや惨劇をどうしても私は振り切れずにいて、男性を信用することができなかった。

付き合うってそれなりに神経を使うし、そのうえまた酷い目に遭うかもしれないのだったら、この楽しいだけの関係の方が、ずっと私にはメリットがあるのだ。

そのうちに、そんな私を変えてくれるような、夢中にさせてくれるような、誠実な人との出会いがあるんじゃないかと期待していたが、そう期待して早6年。

私はその事実には、目を背けていた。