照りつける太陽と、波の音。 向こうの方では、かき氷を売る声が聞こえる。 「お前みたいな中身空っぽな奴、本気なわけねーだろ」 半年間彼氏だと思っていた男は、隣で涙を流す金髪の女の頭を撫でながら、そう言った。 「え、いや…だって旅行だって―」 「うるせーよ。もう二度と話しかけんな」 そう言って奴は、女とともに去って行った。 砂浜に独り取り残された私は、このとき誓ったんだ。 “もう恋なんてしない” と。