恋愛の仕方おしえます。



そういえばこの人…
つい最近までLAで仕事してたんだっけ…。



「I agree. They really make it feel like a special occasion, don’t they?
Did you have to come far to get here today?」


私が呆気に取られている間にも
2人の会話は楽しげに続いていた。

「〜〜〜〜〜〜。」
「〜〜〜?」
「〜〜〜〜〜〜。」
「〜〜〜〜!


もはや聞き取れない速さで
ペラペラと話し出した2人。

一方の私はいかにも聞いていますという雰囲気で
微笑んでいる事しかできない…。


体内時計で5分程話した頃だろうか。


自分の笑顔が引き攣らないよう
意識していると、
桐山社長がそんな私に気づいて切り出した--。

「It was nice meeting you. I really enjoyed our talk.
Hope to see you again soon.」
(あなたとお会いできてよかったです。
お話できてとても楽しかった。
またじきにお会いできればと思います。)


「It was a pleasure talking to you too. Thank you for your time.
Enjoy the rest of the evening.」
(こちらこそお会いできてよかったです。
お時間をどうもありがとうございます。
残りの時間も楽しくお過ごしください。)


私にはよく分からないけれど、
恐らくその場を離れるための挨拶をしたのだろう。

2人が軽い握手をしてから、別れると、

「さっそく放ったらかしにして悪かったな。
まずはホストの原田社長を探して挨拶に行こう。」

と、桐山社長が私の頭をポンと撫でてくれた。



…うぅ…。


…なんだか恥ずかしくて堪らなくなるよ…。



自分は何故ここまでポンコツ秘書なのだ…?



桐山社長の隣に居るのが
恥ずかしくて申し訳ないよ…。