「…どうですか?」
ようやく1着目を着替え終えた私が
社長の前に姿を表すと、
「悪くない。でも違うな。次。」
と、バッサリ。
渋々私は試着室へ戻り
店員さんに手伝ってもらいながら
2着目に着替える。
「次。これ着てみて。」
社長からまた違うドレスを手渡され
3着目を着替える。
「次。」
………。
「次。」
……………。
「次!」
………………--------。
結局、何十着ものドレスを試着した結果、
社長が出した結論はこうだ。
「なんか違うと思ったけど、お前にはその眼鏡が似合わないんだ。
ドレスの問題じゃなかった。」
・・・なんじゃそりゃ!
人を着せ替え人形のようにしておいて、
そんな結論アリ?
結局、社長が選んだのは3着目に着た薄ピンクの上品なドレス。
この一着に辿り着くまでに
1時間以上もかかってしまった。
「よし、じゃあ、次。バッグ買いに行くぞ。」
「えぇっ!!?」



