翌朝、 いつもどおりに朝食を食べ、 いつもどおりに軽くお化粧をして、 いつもどおりに満員電車へ乗って、 いつもよりも早く、出勤した。 ---7時30分。 「おはようございます。」 それだけ言って、 社長室にある、自分のデスクに鞄を掛ける。 既に社長席に座る桐山流行は驚いた顔で、 私を眺めていた。 「なんですか? 今日は遅刻でもギリギリでもありませんけど。」 社長が何か言いたげな顔をしていたので そう聞くと、 「いや、…べつに。」 短い返事が返ってきた。