「今日は一日、雑誌や特集番組のインタビューだ。
8時になったら記者達がこぞって到着する。
お前はそんなダサい格好でお客様を迎え入れるつもりか?」

「え…!?ダメ、ですか?」

「当たり前だろ。新調したシャツとスーツを受付に預けてある。さっさと着替えて戻ってこい!」

「…は、はい!」

「5分で戻れよ。いいな?」

「ぅぅ、了解しましたっ…!」


猛スピードで、受付からスーツを受け取り、
更衣室に駆け込んだ。

でも、新調された黒いスーツは
パンツではなくスカートで…



…この私がスカートを履くのなんて
何年ぶりか………


って、
そんな抵抗感を感じている暇もない!


着替えが終わり、
更衣室を出ようとした時に
自分の履いている靴が昨日社長から貰った
シューズだという事に気付く。


…これじゃ、ダメじゃん!


私は焦る気持ちを抑えてエレベーターに乗り込んで、
社長室までヒールを取りに戻り、
それからようやくエントランスへと戻ったのだった。