20歳になって、
それまで必死に貯めていたお金を持って
上京して、ついに都会へ降りたった。

のは良いものの、
頼れる友達もなく、
見知らぬ人達しかいないこの土地で、
一人暮らしを始める事に不安しか抱けなかった。


…いや、あった!
最初は期待や希望もあったのだけど、
そんなのはすぐに打ち砕かれたのだ。

20年間生きていた私は
自分の事をなんでも知っているつもりでいた。
でもそれが間違いだった。


上京して就職が決まってから
気づいてしまったんだ。


自分は"男性恐怖症"であるということに!!


片道30分の電車通勤は
必ず決まって満員電車。

行きも帰りもスーツ姿の私に
ワラワラと伸びてくる痴漢の手。


思い返すだけでゾッとする。


「お姉さん、大丈夫ですか?顔色悪いですけど。
次の駅で降りた方がいいですよ。」

そう言って私を痴漢の手から助けてくれた中学生の男の子。

2人で駅のホームに逃げて、
「助かったよ。ありがとう。」
という私に、

「おっぱい、つーん!」

なぜか指で乳をツンツンされた。
そして逃げられた。


それから私は思ってしまったのだ。


へ……?

オトコノコ、コワイ…!


---トカイ、キョワイ!---


と。