ダメだ。
やばい。
可愛すぎる。
高揚する気持ちを抑えつけて、
欲望を満たしたくなる気持ちと葛藤をする。
彼女の細く柔らかそうな髪も、
赤く染まる頬も、桜色の唇も、
全てが俺を誘惑する材料で…。
…あぁ、くそ。
イジメてぇ。
早く観覧車が動き出してくれるのを願いながら、
もう一度、藍川を自分の方へと引き寄せる。
「ちょっ…!っ嫌だ!何するんですか…//」
満更でもない声のトーンで、
天邪鬼な彼女が毒を吐く。
嫌だと言いつつも抵抗する事なく
俺の膝の上に収まる藍川。
男嫌いの藍川にせめてもの労いで、
後ろから、できるだけそっと抱きしめるだけに留まることとする。



