ていうことはつまり、あれか?
藍川は…、
彼氏から貰ったチケットで俺を誘ったってこと…?
「遊園地のチケットが余ってるからって貰ったんです。」
「なら、なんで彼氏と2人で一緒に行こうってならなかったんだよ。」
「……ん?」
「…………ん?」
真っ当な質問のはずなのに、
何故か意味のわからないといった顔してる藍川。
いや、意味わかんないのは俺の方だっつうの。
…もうすぐ頂上というところで
なんなんだこの色気の皆無な表情は。
「私、彼氏なんて居ませんけど。
南くんはただの同期です。」
「は…?」
彼女からそんな衝撃の台詞を聞いた後で、
観覧車にも急停止した衝撃が走る。
-----グラッ…
「きゃぁっ!!」
揺れに怯えて叫んだ藍川を
咄嗟に自分の方へ引き寄せる。
と、
ここで男性の声で放送が流れてきた。
-〈観覧車にご乗車中の皆様にお知らせします。
現在、一部の観覧車に不具合が見られたため緊急停止をさせていただきました。
ご迷惑をお掛け致しますが、今暫くそのままでお待ち下さい。〉ー



