とりあえず…
「おい茶髪。言い合いしてたら喉が渇いた。
なんか飲み物買ってこい。」
「は?…なんで俺が?」
「藍川を喜ばせた方の勝ちだったよな。
そんじゃ、やっぱり俺が藍川の分まで買ってくるからここで待ってろよ。」
「いや、俺が買ってきます。
伊織は何が飲みたい?」
「え!?私の事は気にしないで大丈夫だよ。」
「遠慮しないで。
じゃあお茶でも買ってくるよ。
ちょっとだけ待ってて。」
「…あ、ありがとう。」
……ちょろい奴。
茶髪の後ろ姿が見えなくなってから
俺は藍川の手を握りしめた。
ぼけーっとしてる藍川に
「行くぞ。」とだけ告げて、
手を握ったまま走りだす。
「ちょっと…!待ってくださいっ!!」
そう言われても
俺が止まる訳もなく、
やがて大きな観覧車の前まで辿りつくと
2人で一緒に乗り込んだ。



