「と、とにかく…一旦中へ入ります…?」
この状況でチケットを差し出してきた
藍川に吃驚したが、
こんな入り口で喧嘩するわけにもいかないので
とりあえず彼女の誘導されるがまま動く。
適当なベンチまで辿り着くと、
茶髪と一緒に藍川がちょこんと座り込んだ。
「とりあえず…、桐山社長も座りませんか?」
・・・って、
座るわけねーだろ。
「お前は一体何を考えてんだよ?」
俺が聞くと
「悪いけど、彼女を責めないでくれませんか?
伊織の事が心配だったから俺が勝手について来ただけなんで。」
茶髪が藍川を庇いだす。
そんな茶髪に驚いた表情を浮かべる藍川。
…何この状況…。
クソつまんな過ぎんだろ。
「じゃ、帰るわ。お前らだけでせいぜい楽しめよ。」
俺が機嫌悪く踵を返すと、
素早く俺の腕を掴んで引き止めてくる藍川。
「待ってください!!
まだ入園したばかりだし…せっかくのチケットが勿体ないですよ!」
「んなもん知るか!
…それとも何か?
こいつも含めて3人でデートしろって言うわけ?」
「…っで……デートって……//」
「いちいち意味わかんないとこで照れんなよ。」



