「じゃあ…これ、見てください。」
突然、藍川が俺の前に差し出してきた
2枚のチケット…。
どうやら都内にある遊園地のチケットのようだった。
「…え?」
「いま奇遇にも、私の手元には2枚のチケットがあります。」
饒舌に話し出した藍川に
頷く事しかできない俺。
「桐山社長がど〜うしても行きたいのであれば、
一緒に行かない事も無くはなく。」
・・・なんだこのド下手な
上から目線な誘い方・・・。
…俺の真似してるつもりか?
ていうかいい大人が遊園地だぞ?
彼氏は良いのかよ…。
「いや…遊園地はさすがに…。」
「さっき社長言いましたよ?
"どこでもいい"って!」
「それはまぁ、言ったけど…。」
「しかもよく見てくださいココ!
使用期限はちょうど日曜日までなんです!!」
「2019年って書いてあるから来年じゃん。」
「………。
とにかく私はここに行きたいんです!!」
「…分かったよ。じゃあ、日曜日迎えに行く。」
「えっ…!?迎えになんか来なくていいですよ!」
「は?…なんで?」
「分かってないな〜、社長は…。こういうのは待ち合わせして行くのが楽しいんじゃないですか!」
「…分かった。じゃあ10時に現地集合で。」



