俺が頭の中であれこれ考えていると、
バカな藍川は自分の生姜焼きを必死に手で隠して「見ないでください〜」とか言っている。
…んなもん別に狙ってねぇわ。
と、心の中でツッコミを入れてから、
前置き長めに聞いてみる。
「突然だけど、実は俺。
日曜日は仕事が休みで
たまたま誰と会う約束もしてないんだ。
もしもお前が暇なら
会ってやらない事もないけど…どうする?」
・・・なんだこれ?
なんでこんな上から目線な誘い方をしてしまったんだ、俺は…。
と、そんな心配は無用だったようで、
「それは偶然ですね!
私もちょうど日曜日は暇なんです。」
藍川からは案外、気の良い返事が返ってきた。
「そりゃ良かった。
で、お前はどこか行きたい所とかないの?」
「え、私が行きたいところでいいんですか?」
「いいよ。あるなら。」
「え、どこでも?」
「良いって言ってんだろ。」



