半ば強引に連れ出して、
2人で8階にある社員食堂へ。
大勢の社員達の視線を浴びながら
俺は定食を、藍川はカレーライスを頼み、
向かい合って席に着く。
「…で、どういう風の吹き回しですか?」
藍川からの質問に、
俺はさらっと答えてやった。
「別に。社食ってのを食べて見たかったからさ。
お前を誘っちゃ悪かった?」
「…いや、悪くないですけど…。」
・・・悪くないんだ…?
悪くないんだ!
「ならいいじゃん。
それじゃ、これから毎日昼誘うから。」
「はぇ!?!?毎日…ですか!?」
「どうせお前って友達とか居なそうだしな。
ある意味、ボランティアだよ。」
「友達が居ないのは…社長の方なんじゃ…。」
「なんかカレーも美味そうだな。一口くれよ。」
「今までお昼抜いてた人が何言ってんですか?
みんな見てるし…、嫌です。」
「お前って奴はケチメガネだな。
あ、もう眼鏡してないか。」
「うるさいっ!
気まずいから早く食べちゃいましょう。」



