10月28日。 藍川が秘書を務める最後の日。 藍川から飲みに誘われた俺は単純に嬉しかった。 でも、その想いを悟られないように、 間違っても手を出してしまわないように、 ずっと自分に言い聞かせてた。 俺たちは1ヶ月間の思い出話をツマミに酒を飲んで、 あっという間に数時間を過ごす。 気付いたら夜遅く。 俺はフラつく藍川をタクシーに乗せて、 そこで別れた。 これで明日から、 あいつはただの社員になる。 明日からはもう遠慮はしない。 俺は絶対に、 仕事と恋を両立してみせる。