ー10月1日 ー
「おはようございます。」
いつもより、早く出勤してきた藍川。
明らかに不機嫌な顔で、
出勤してきたもんだから俺は訳がわからず
呆気にとられてしまう。
「なんですか?
今日は遅刻でも、ギリギリでもないですけど。」
「いや、…別に。」
それからお互い黙って仕事をすること2時間弱…。
今度は俺が全然仕事に集中できてない。
なんなんだこいつは。
なんで突然、こんなに不機嫌なんだ?
昨日俺がデコに付箋貼ったから?
思い当たる節はそのぐらいしかなかった。
直接聞いてみても、
『私は機嫌を損ねていません。』
とか言い張るし…。
本当わけわからん。
今までは女なんて、
みんな俺に媚び売ってきて
鬱陶しい…とか思っていたが、
気付けば俺が藍川に媚びを売る始末。
せっかく淹れたコーヒーも飲んではくれないし。
…仕方ない。
こうなったら強硬手段だな。
今からこいつとデートしよう。



