「……ぇ、ねぇ、姫凛、起きてよ!」

この、朝っぱらからうるさい声って

「ちょっ、雛もうちょっと……」

目覚めた先にいるのは、バッチリメイク済みのあたし、


─────ではなく、双子の妹 雛凛(ひなり)である。

「また、繁華街いってたんでしょー?いかないで、ってゆってるのにー。」

雛は腰に手を当て、あたしにそっくりな顔でプリプリしている。

「だって、暇だったし。」

また、もーう!と怒ると頬を膨らましてどこかへいってしまった。

あたしは私服に着替え、下へ降りていく。

テーブルに並べられた朝ごはん。

ベーコンエッグとパンだ。

これは全て、雛がつくったもの。

「雛、リボンついちゃうよ。」

あたしは雛の制服の赤いリボンをよけた。

雛は近くの普通の高校へ通っている。でもあたしはちがう。

白衣をきて、理科の器具を使う。

「バイオの研究、うまくいってるの?」

「お母さんみたいなこと聞くのね。」

そう、あたしは高校生の年齢でありながら”ある企業”の研究に利用されている。

「まあまあじゃないの?」

あたしが適当に返すと、不満そうに食べ終わったお皿を片付けた。