「まあ、それもそうか…」

私は返事をすると、鶏軟骨をかじった。

バリバリとそれを噛み砕きながら、私は陽葵ちゃんの顔を見つめた。

妹の贔屓目と言う訳ではないけれど、陽葵ちゃんは本当に美人だと思う。

とてもじゃないけれど、後半年で30歳になるとは思えないほどの美貌である。

「どうかした?」

私の視線に気づいたと言うように、陽葵ちゃんが声をかけてきた。

「えっと、今日も陽葵ちゃんは美人だなって思って」

私が言ったら、
「お世辞はいいよ、お世辞は」

陽葵ちゃんは苦笑いをしながら言った。

「いや、本当だから。

と言うか、いつも思ってるから」

「あー、はいはい」

陽葵ちゃんは梅サワーを一気に飲み干すと、
「すみませーん」

手をあげて店員を呼んだ。