目が覚めると、全身は汗でぐっしょりと濡れていた。


恐ろしい悪夢を見ていたかのように乱れた呼吸を整えながら、想太は両手に顔を埋める。


瑠美は確かに想太にだけは対等に接してくれる。だけど、完全に心を開いているわけではない。


というより瑠美は何か大きな隠し事をしていて、見えない十字架を常に背負わされている様に見えた。


誰にだって人に言えない隠し事はある。


だけど――もし瑠美のそれが想太の想像を遥かに超えるものだとしたら? 想太には絶対にどうすることもできないものだったとしたら?


そんなこと……考えるだけで頭がおかしくなりそうだった。


だから、絶対に僕が彼女を救ってみせる。



夢でも現実でも――唯一僕と同じ世界にいる彼女を手に入れる為なら、何だって。