彼氏がいなくなった



「で来たかったのはバッティングセンターかい!!」


 飛んで来たボールをフルスイングで三振する多香。いつの間にかとっぷり日の暮れた空には綺麗な星が浮かんでいて、振り向くと白い息が見えた。

 夜の空は星が綺麗に映えるものだ。


─────────お前の24時間俺にくれ

  その言葉にはじめこそ人にジト目をくれて訝っていた多香だったが、なんだかんだ結局信頼仕切って付いてくるからチョロいんだってお前は。

「いや、人様のお嬢さん借りるんだからそれなりの場所来ないと」

「まじこれつっかれる…痩せてしまう」

「いいことじゃん」

「お前の一部が少しでも地球から減るのが辛いとか言えないのか日野」

「オマエノイチブガ」

「のっけから棒読み」

 がつん、と投げてくるボールをすんでのところで躱して、顔を傾けたまま両手を叩く。

「多香が当てない限り帰れないんで」

「何その熱血講師~くたばれ~」

「俺三回ホームランしたじゃん」

「元野球部なんだから当然ぞ~」



 ホームラン当てないとここタダになんねーの、とベンチに座って応援すれども、へっぴり腰は相変わらずだしポニーテールは揺れるばかりで全く仕事しないのな。