夜の世界に舞う



5分くらいすると桜ちゃんが入ってきた。

さっきよりも、顔が赤い。

「結構飲んできた?大丈夫?」


「ちょっとね。それより愛、泣いた?」


「ううん、カラコンが乾いてきて…」

「嘘。琢磨になんか言われた?」

「ううん。高校一緒だったよって言われたけど覚えてなくて、今思い出しても桜ちゃんの友達で名前わかる子とかいないなーって思い出してた。」


「ツレには会わせなかったから。嫌だったから、ツレが愛の事可愛いって言うのが嫌だった。」


「そうなの?知らなかった。」


「俺は愛が中洲から消えるとは知らなかった。」



琢磨くん…やっぱり言ったんだ。


「だよね。私もさっき言われたとこだもん。」

「やめるの?」

「やめるよ、約束だしね。それと結構信用してたママに言われたのもちょっとショックだったしね。」


「そっか。社長は愛のこと嫌いで言ったんじゃないんじゃない?」

意味が分からない私に続けて話す

「愛には水商売からあがって普通に幸せになって欲しいって思ったんじゃない?社長の気持ちを聞いたわけじゃないからあれだけど、俺にはそういう風にとれたよ?」


普通の幸せってなんだろう?


だけど、そういう風な意味で言われたのなら少しだけ気持ちも楽になるかな。