幸太郎がいなくなるとすぐに華が話掛けてきた。
「最近の王子、新規指名のお客様断ってるらしいよ。噂だけどね。」
あーね、なるほど。
「多分それ噂じゃないっぽいよ。だってさっき私が『奏』って言った時、幸太郎君の顔一瞬表情変わったからね。」
「まじで?全然分からなかったー。やっぱ、エル凄いね。」
「そんなことないよ。華は近すぎて見えなかっただけだと思う。あからさまだったからね。」
そんな話をしていると、またヒョッコリ現れた。
「はにゃー。何話してたの〜?」
お前はネコか?って言いたくなるような言い方。
「で、どうだった?」
私の問いに顔を使って答えてくる。
満面の笑みで…「後で来るって、よかったね。」って。

