「うん。」

「死神ってね、元々は暗かったんだ。」
え?

「いつも独りで本を読んだりしてて、あんまり人とは交流しなかったんだ。それで気味悪がられたり、いじめられていたんだけど、僕は不思議に思ったんだ。なぜ独りでいるか。」
うんうん。

「思いきり、言ってみたらね、トラウマがあるからって。さらに聞いてみるとね、
ある時に砂場で遊んでて、砂場に来た子に、
『一緒に遊ぼう』って言ったんだけど、
『うるせぇ』って言われて、トラウマになっちゃったみたいでね。」
あぁ、そんな過去が…

「でもね、僕言ったんだ。『そんなやつ、僕が許さない。』ってね。そしたら死神がね、目を丸くしてた。でも、『うん。』って答えてた。
それから僕達は遊んだよ。それだから性格が変わったのかねぇ?」
へー、こんな過去があるんだ。みんなにも。

「でも、なんか僕だけ悲しい思いしてなくて、
なんかずるいよね。」
あ、たしかに。