「いってきまぁーす!」

あたしが玄関を出るとなぜか家の塀の所に大和が立っていた。

「なにしてんの?」

「俺んちまで聞こえてたんだよ、お前らの声」

大和の家はあたしの家の隣。
お互いの部屋は窓を開けたら話せる位置にある。

「だからチャリで送ってやろう思って。どうせ歩きだろ?」

「えっ!いいの?」

「おう。後ろ乗れ」