三つ目の会議の資料作成があと確認のみの段階で、一つ目の会議を終えた社長が戻って来た。
「お疲れ様です。デスクに次の会議の資料を置いてますから…」
「うん」
若干今朝と比べてやつれた社長が、また無言で資料を見ている。
「ありがとう。三つ目はもう少しかかるの?」
「3分だけ待って下さい。」
きっちり3分で確認を終えて社長に渡す。
「…うん。完璧だね。ありがとう助かったよ。根岸さんは午後からは、企画部の磯崎以外の仕事を手伝ってあげて!」
仕事の指示を出し出ようとする社長が
「あっ…えっと…その…よかったら携帯教えて?」
かなり動揺しながらの言葉に首を傾げてしまう。
「い…いや、あの、ほら会議が長引いたら連絡しなきゃ…」
「分かりました。」
資料説明の話ならと私はメモに電話番号とアドレスを書いて渡す。
「仕事の指示ならメールでもいいですから!」
笑顔で答えるとメモを見つめたままの社長
「あぁ…」
ポケットにメモを入れて部屋を出て行った。
顔が若干赤いし、目がちょっと泳いでたし…
やっぱり社長って変な人…



