花に恋するチューリップ



グラウンドの方へ向かって行く途中、花壇があった。
こんな所に花壇があるなんて知らなかった...
赤いチューリップが沢山咲いていた。
丁度この季節だから、すごく綺麗に咲いている。



赤いチューリップは賢一くんを思い出す。
もしかしてこれが初恋なのかもしれない...
不完全燃焼で終わってしまった初恋だから、未だに思い出すのかも。




「おい、何してんの?」


「わ!花くん!」




赤いチューリップに見惚れていたら、花くんが私の顔を覗き込みながら声を掛けてきた。


「あー俺今汗臭いから近付かない方がいいかも。...それ、手に持ってる白い花どーした?」





「これ...昨日花くんが助けてくれたって聞いてどーしてもお礼がしたくて、この花を贈ろうと思って」




花くんはすごく驚いた表情をしている。
最初はポーカーフェイスなのかな?と疑うくらいあまり表情が変わらない人だな、と思っていたけど最近見かける花くんは表情がコロコロ変わっていて、なんだか楽しそうにも見える。


「ありがとう。でもなんでこの花?」


「カスミソウって言う花で、『感謝』っていう花言葉なの...」



言ってるそばから恥ずかしくなってきた。
高校生になって花を贈るって...
しかも恋人でも友達かどうかも怪しい人に。
でも伝えたかった。



「私、小さい時すごく人見知りで。言葉が足らなくて誤解とかもされやすかったの。でも花には伝えたい言葉とか意味が含まれていて、それを贈る事で私の思っている事を上手く伝えられるような気がしてて...」