「初めまして!僕、金子啓斗って言います!
啓斗先生って呼んでくれると嬉しいかな!」




「槙野...優衣です...」





「優衣ちゃんか!いい名前だね!」





「はい!お母さんが優しい子に育って欲しいって付けてくれたんです!」




「そっか!良かったね!」





「優衣ちゃん、名前好きなんだね!」





「だって、親から貰った最初のたからものですから!」





「そっか!」





「じゃあ、優衣ちゃん啓斗先生と検査室に行ける?」






「・・はい!」





「わかった!じゃあ私は先に行ってるね!」




そう言って佐々木さんは、病室から出ていった。





「優衣ちゃん、じゃあ今日頑張ろうね!」





「啓斗先生...ひとつ聞いてもいいですか?」





「ん?何?」





「叶夢先生って彼女いますか?」





「叶夢??いないよ、アイツ本気で好きになったやつしか興味ないみたいだから」




「ん?ってことは、優衣ちゃん叶夢のこと好き?」





コクン





「そっか!大丈夫!叶夢なら優衣ちゃんの気持ち分かってくれるはずだよ!」





「私、今日の検査頑張れたらこの気待ち伝えようと思うんです」





「そっか!頑張れ!」




「はい!」






「よし!そろそろ検査室行こうか!」





そう言って私を車椅子に座らせてくれた。




別に歩けないわけじゃないけど、検査が不安でたまに急に歩けなくなる子がいるみたいで
私がそんなことないように車椅子なんだって