それから今日までの半年間、私はこれまで以上に頻繁にそのカフェに足を運ぶようになった。
胡桃ちゃんが一緒に行けない日は、一人で行ったりもした。
その結果、3回に1回くらいの確率で先輩がオーダーを聞きにきてくれて。
「…いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」
「イチゴのショートケーキを…ひとつ」
「…かしこまりました」
毎度、無愛想な接客をする先輩にせめて顔だけでも覚えて欲しくて。
変な客だと思われようが、今まで通り毎回イチゴのケーキを頼み続けた。
そして、いつも決まってショートケーキ越しに働く先輩を眺め続けていた。
「…お待たせ致しました。イチゴのショートケーキでございます」
「ありがとうございます…あ、あのっ…」
「は?」
「えっと、…」


